織物とコンピュータ


 コンピュータ技術の黎明期において、その発達に影響を与えたとして引き合いに出される技術に、ジャガード織りとジャガード機械の技術がある。
 ジャガード機械は1805年ころ、フランスのジョゼフ・マリー・ジャガードが発明した。
あるパターンに穴を開けた紙を差し込むと、その穴の開いている場所を読み取ってさまざまな模様を織り込むことができた。これが後に、ヨーロッパ各地のジャガード織りとして根付いてゆく。
 イギリスの数学者チャールズ・バベッジは、様々な数表を作成するための計算機「階差機関」を開発していた。そして、新たに開発予定の「解析機関」と呼ばれる自動計算機械のプログラム記述法に、ジャガード機械の穿孔カード読み取り方式を応用することにした。解析機関では解くべき問題の計算手順を穿孔カードに記述し、機械を制御しようと試みていた。
これらは予算や技術的な問題もあり、完成することはなかった。



   左から

  • バベッジの階差機関 (1822)
  • 階差機関の図面
  • バベッジによる解析機関の試作品
  • ジャガード機械付きの織機 (群馬県桐生市)


Weaving and Computers


 The technology of Jacquard weaving and the Jacquard loom is often cited as one that influenced the development of computer technology.
 The Jacquard loom was invented by Frenchman Joseph Marie Jacquard in or around 1805.
He created a mechanism under which a series of perforated cards were passed over needles pressed against a card, and whenever there was a hole the needle would go through the hole. The pattern of holes on the cards determined a pattern produced on the resulting textile.

 Charles Babbage, an English mathematician, applied the Jacquard weaving system to a computing machine he invented, called "the analytical engine."
Babbage’s idea was to control the machine by recording computing operations on punch cards.