二進算盤の計算手順

(3)乗算

二進一桁の乗算は以下の四通りの基本パターンに分けられる。

     0 ・ 0 = 0
     1 ・ 0 = 0
     0 ・ 1 = 0
     1 ・ 1 = 1



例)  (1101)(1111) 

 この計算の演算数を分解する。

 (1101)(1111) 
=(1101)(1000 + 100 + 10 + 1) 
=(1101)(1000)+(1101)(100)+(1101)(10)+(1101)(1) 
=(1101)2^3 +(1101)2^2 +(1101)2^1 +(1101)2^0


 一般に二進数の2^n倍は、n桁左へシフトすることで得られる。

 (1101)2^3 =(1101000) ‥‥三桁左へシフト
 (1101)2^2 =(110100)  ‥‥二桁左へシフト
 (1101)2^1 =(11010)  ‥‥一桁左へシフト
 (1101)2^0 =(1101)   ‥‥シフトせず

 乗算とはこれらの総和を求めることになる。


  (1101)(1111)
= (1101000)+(1101000)+(11010)+(1101)
= (11000011) 


 この例に即した珠の動きを以下に示す。




 (イ)の右端に演算数(1111)を置く。
 (ロ)に被演算数(1101)を置く。




 (イ)の右端の演算数を見ながら計算する。
  演算数の一桁目が(1)であるので、(イ)に(ロ)の値(1101)を置く。




  演算数の二桁目が(1)であるので、滑台を一桁分左へ動かし(イ)と(ロ)を加算。
  以下同様に演算数の最上位まで続ける。(0の桁の場合は加算せず)




 (イ)に乗算の結果が置かれる。