二進算盤の計算手順

(1)加算

二進一桁の加算は以下の四通りの基本パターンに分けられる。

     0 + 0 = 0
     1 + 0 = 1
     0 + 1 = 1
     1 + 1 = 10

1+1のとき上位桁への桁上がりが発生するため演算の際にはこの桁上がりを考慮しなくてはならない。



 例) (1101) + (1111)

      1 1 1     ‥‥桁上り値
      1 1 0 1   ‥‥被演算数
   +  1 1 1 1   ‥‥演算数
  ─────────────
    1 1 1 0 0


一桁目の加算においては、下位からの桁上がりは0となり二値の加算でよいが、二桁目からは下位からの桁上げ値をどこかに置いて計算しなくてはならない。
したがって、この二進算盤においては三列の珠が必要となってくる。

以下にこの例に即した珠の動きを示す。




  (イ)に演算数、(ロ)に被演算数を置く。どこを一桁目にするかは任意。




  (イ)と(ロ)の一桁目を計算し、生じた桁上げ値を(ハ)の二桁目に置く。
  同時に(イ)の一桁目の演算数を計算結果の一桁目に置き換える。




  (イ)(ロ)(ハ)の二桁目を計算。生じた桁上げ値を(ハ)の三桁目に置き、

  (イ)の二桁目の演算数を計算結果の二桁目に置き換える。以下同様に最上位まで計算を続ける。




  最終的な計算結果が(イ)上に置かれ、終了。